今日のレコード その(2) Nashville Jam


NashvileJam
Nashville Jam
Flying Fish Records  (TRIO RECORDS) PA-6346

ジャムセッションという言葉がある。音楽の世界で好き者が集まってその場でセッッション を組み即興的に技を競い合う。ジャズの世界ではこのジャムセッションにより技が磨かれアヴァンギャルド的進化を続けることで現在のモダンジャズの礎にも なってきた。しかしジャムセッションは何もジャズの世界だけではない。ここに紹介するのはブルーグラスのジャムセッションである。

ジャム(Jam)と言う英語の意味はパンに付けるジャムの事を意味するが他にも「楽しいこと」あるいは「詰めかける」と言う意味もある。つまりジャムセッ ションとは楽しさを求めて詰めかけたミュージッシャンがセッションを組んで即興演奏を行うことと解釈できるがランダムハウス英和大辞典に寄れば語源は Jamboree(ジャンボリー)を短くしてJamとなった可能性もあると書かれている。
このジャケットは子供がジャムを沢山塗ったパンを頬張っている。食べる「ジャム」と「楽しいこと」をひっかけていて実に面白い。しかし内容はどちらかと言えばJamboreeに近いものがある。

ところで世間ではブルーグラスをカントリーの一音楽として位置付けているがブルーグラスは独立した立派な音楽ジャンルである。その由来は1939年にビ ル・モンローが作ったブルーグラス・ボーイズというストリングスバンドが大変な評判を呼んだことからこの種の音楽をブルーグラスと呼ばれるようになったと 言われている。言わばビル・モンローがブルーグラスの元祖ということになる。

しかしアメリカン・ミュージックのルーツは極めて複雑でありそう簡単に位置付けることは難しい。それはアメリカという国の生い立ちが移民や黒人奴隷の歴史 の中で築き上げられてきていることに絡んでいる。カソリックとプロテスタント間の宗教争いから逃れて新天地を求めてアメリカにやってきたアイルランド系移 民がその中心となるが黒人奴隷達も独自にゴスペルやブルースといった音楽形態で憂う思いを歌に綴り文化を発展させてきた。それらが互いに何処かで融合し現 在のアメリカンミュージックができあがっている。

ブルーグラスもかつてはオールドタイム・ミュージックやマウンテン・ミュージックとしてアパラチア山脈に入植した白人達が母国から持ってきたバイオリンや マンドリンを用いて日常的に母国を懐かしみ思いを綴ってきたに違いない。そんな音楽が楽器の進化や演奏スタイルの進化によって現在のブルーグラスの形態に 辿り着いている。いわば進化してきたのだ。現在ではブルーグラスとジャズが融合してよりスウンギーな演奏スタイルになってきている。ここに掲げたレコード はフィドルの名手ヴァッサー・クレメンツとバディ・スパイカーを中心としたブルーグラス・ジャムであるが実にスインギーな演奏で聴いていて楽しくなる。

曲目リスト
Roenoke
Stella's Breakdown
Beamont Rag
Doc's Place
Osmosis
Me And My Fiddle
Rawhide
Long Way 'Round
HCBT Blues
I Wonder Where You Are tonight
Farewell Blues
Roly Poly

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する